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駐車場経営は失敗のリスクは低いが、あまり儲からない
車を運転する機会があると、「駐車場が空いていない」という場面にしばしば遭遇します。そこでピンと来る人もいるはずです、「駐車場経営は、とても儲かるのではないか」と。
結論から言ってしまうと、リスクはそこまで大きくはないものの、大幅な利益を上げることは難しい業界と言えるでしょう。
利用したい人は一定数いるのでニーズはあり、大きく失敗することは考えにくいです。
ただ、不動産投資のような稼ぎ方は期待できず、利益が出せたとしても、よほどの規模ではない限りは副収入として満足できる程度にとどまるのではないでしょうか。
ローリスク・ローリターン系の投資と思っておくべきです。
当然、駐車場経営にはメリットもあればデメリットもあります。どのようなことに注意すべきなのかも含めて考えてみましょう。
駐車場経営のメリット
駐車場経営は、簡易的なものであれば、土地の取得のみで始めることができます。ある程度の設備を整えたとしても、少ない資金で始めることが可能でしょう。
また、その土地がとても小さくても始めることができるのもメリットです。自動車2〜3台なら駐められるスペースがある、という人は、すぐにでも駐車場経営に乗り出すことができます。
もし駐車場の経営で思ったように利益が得られなくても、更地などに戻しやすく、次の活用手段へと移行しやすいというメリットもあります。
駐車場経営のデメリット
土地は、活用の仕方によって税金の負担が変わってきます。駐車場経営の場合には、固定資産税などで軽減措置が受けられません。
また、土地の活用効率の面でも少し不利になる可能性があります。
同じ広さの土地でも、例えばアパートやビル経営であれば部屋をいくつも確保できるのでたくさんの利用者を集められますが、駐車場だと数台の自動車を駐めたらスペースがなくなってしまうケースも出てくるでしょう。
駐車場経営に必要な資格
土地を持っていれば、基本的には資格や届け出なしでもできてしまう、それが駐車場経営です。
ただ、駐車場のタイプや規模によっては、届け出が必要になるケースが出てくるので、この点には注意しておきましょう。
具体的には、以下に当てはまる場合には、駐車場法に基づく届け出をしなければいけません。
- コインパーキングなど、不特定多数の利用者を対象とする場合
- 駐車スペースの総面積が500平方メートルを超える場合
両方の条件を満たす場合のみ届け出が必要になるので、個人経営の場合には、大半のケースで届け出は不要でしょう。資格に関しては全く必要ありませんから、駐車場経営をスタートさせるための壁は、さほど高くはありません。
駐車場経営に必要な費用と面積
駐車場の経営を考えるときに切っても切り離せないのが費用です。実際にどのくらいの費用がかかるのかは気になるところでしょう。
同時に、どの程度の面積の土地があれば始められるのかも気になるはず。
これらについて考えてみます。
必要な面積
自動車を1台駐車するのに必要なスペースは、平均22〜23平方メートル程度と言われています。
少しゆとりのある駐車場を作りたければ25平方メートル前後は欲しいところですが、それだと駐車できる台数が減ってしまう可能性も出てきてしまうでしょう。
10台が駐車できるスペースを確保するのであれば、上の数字を単純に10倍して250平方メートル前後が必要ということになります。土地の形状などにもよりますが、それ以上に必要な場合もあれば、それ以下でも10台分の駐車場として問題なく運営できるケースもあります。
駐車場経営自体は2台や3台分のスペースからでも始められるので、30〜40平方メートル前後の土地でも十分経営可能な面積となるでしょう。
費用
費用に関しては、どのような経営をするのか、どのようなタイプの駐車場にするのか、そして面積などによって全く異なってきます。
例えば、5台分が駐められる駐車場の場合、フラップや精算機など様々な設備に200万円前後かかります。もし土地が整備されていなければ、それに100万円前後の整備費がかかり、そもそも土地を持っていなければ、取得費用等でさらにお金が必要になってきます。
精算機などを置かずに、例えば月極駐車場をオープンするのであれば、整備費のみで問題ないので、5台分なら100万円前後で始められるでしょう。
経営スタート後は、管理費や税金などがかかるので、この点も忘れてはいけません。
駐車場経営で儲けるために必要なポイント
利益が出しにくいと言われている駐車場経営ですが、ポイントを押さえれば、それなりの儲けを得ることは可能です。
では、どこにポイントを置いて場所を探したり駐車場経営を行えばいいのでしょうか。
立地
一番のポイントとなるのは、立地です。どの場所に駐車場があるかによって、利益や儲けに大きな影響を与えることになります。
- 月極の場合には住宅街、コインパーキングの場合にはショッピング施設や駅・空港などがある
- 近くに駐車場がない
- 車の通りが多い道路が走っている
- 駐車場となるスペースへの出入りがしやすい
- 土地が安い
以上のようなポイントを押さえ、できるだけ当てはまる立地に駐車場を作れば、ある程度の利益を出すことができるでしょう。
需要があるかどうか
駐車場経営で儲けられるかどうかは、結局は需要があるかどうかです。上で挙げた要件を満たしていても、需要がなければ利益は出ません。
例えば、近くに住宅街があったとしても、それぞれの家に駐車場が付いていれば、月極駐車場を作ったとしても利用者は増えないでしょうし、近くにお店などの施設があったとしても、その施設が十分な駐車場を所有していれば、これも需要があるとは言えないでしょう。
そこに住んでいる人や通っている人、遊びに来る人がどれだけ駐車場というものを求めているのか、このニーズを把握して上手に汲み上げることさえできれば、駐車場経営は確実に利益を出すことができるはずです。